統計では見えてこないモルフォセラピーの底力

モルフォセラピー医学研究所

2023年04月05日 10時00分

統計では見えてこないモルフォセラピーの底力

黒澤明監督の映画「生きる」が、ノーベル賞作家のカズオ・イシグロの脚本によって、イギリスでリメイクされたようだ。私は学生のころ、池袋の文芸坐で黒澤の「生きる」を観た記憶がある。たしか3本立てが学割で100円だったと思う。


「生きる」は、胃がんで余命半年と宣告された男が、残りの人生をいかに生き抜いたかを描いた名作だ。この作品の発表当時、がんは不治の病だと考えられていたため、がんの告知は死刑宣告、すなわち死がごく身近に迫っていることを示唆していたのである。


しかし私がこの映画を観た1970年代あたりから、がんの治療は大きく変わっていった。がんの患部を広範囲に切除する拡大手術に始まり、激しい副作用を伴う抗がん剤の投与、放射線照射といった、勝ち目のない凄惨な戦いの場となったのである。その結果、単なる死病だったがんは、激痛を伴いながらのたうち回って死んでいく、業病へと変貌したのである。


ところが今では、「がんはすでに治る病気になった」といわれる。それほどがん治療は進歩したのだと医師たちは声を揃えていうが、果たして本当だろうか。


2023年3月、NHKで「がん患者の10年生存率が低下した」と報道されていた。生存率が低下した理由として、国立がん研究センターは「治療成績が悪くなったわけではなく、生存率の算出方法を国際的な新たな方法に変更したためだ」と釈明していた。


新たな方法とはよくいったものだ。この説明に隠された意図が、一般の視聴者に理解できただろうか。要するにこれは、「これまでは国内だけに通用する特殊な基準を使って、がんの治療成績を粉飾していました」という意味なのだ。


今に始まったことでも、医学に限った話でもないが、統計というのは算出の仕方によって、どのようにでも印象を操作できる。それにしても日本のがん治療の統計は、操作し過ぎの感がある。


たとえば日本独自の過剰診断システムによって、毎年おびただしい数の前立腺がんや甲状腺がん、乳がんが発見されている。ところがこれらのがんは、もともと10年生存率が非常に高いがんなのである。そのようながんの発見数が増えれば、おのずとがん全体の10年生存率は押し上げられることになる。


また誤診によっても、がんの生存率は大きく変化する。がんの誤診とは、がんではないものをがんだと診断するのだから、がんで死亡しないのは当たり前なのだ。この特殊な事情を考慮したうえで、がんの正確な生存率を知りたければ、転移が見られない初期のがんの患者を除いた統計が必要となる。そうすれば誤診による統計のゆがみが排除できる。


ただし、がんの統計で重要なのは10年生存率ではない。もっとも重視されるべきは、がんの死亡者数なのである。この数の変化によってのみ、がんの治療効果の遷移が明確になるのだ。


だが統計に見られるがんの死亡者数にも、問題が潜んでいることがわかってきた。実は抗がん剤治療によって、患者はしばしば間質性肺炎に陥るが、そのまま死亡した場合、死因はがんではなく肺炎だったことにされてしまう。すると長年がんの治療を受けていたにもかかわらず、がんによる死亡者には含まれないのである。


さらに気になるのは、新型コロナウイルスの流行以前から、統計上は肺炎による死者が増えていた点だ。肺炎が増えた理由は明らかにされていない。しかしがんによる死亡者が一向に減らないので、一部を肺炎の死亡者に計上することで、がんの治療成績をごまかしていたのではないか。


そう考えていくと、今回発表された「10年生存率53%」という数字も怪しく見えてくる。以前よりも数値が下がったとはいえ、この数字ですら鵜呑みにはできない。そもそもがんの最大の栄養源であるブドウ糖を制限せずして、がんが治る病気になったなどとは到底思えないのだ。


がんに限らず、日本の医療では統計数字と実態とが一致しないことが多いのではないか。

腰痛は今やありふれた疾患だが、「生きる」のころはがん同様、今ほど一般的ではなかった。それがこの半世紀あまりで急増しているのだ。にもかかわらず、医学の世界ではこの変化に対して全く危機感がない。


確かに、腰痛ではがんのように死ぬわけではないから、医師から軽視されるのも仕方がないのかもしれない。その原因の9割が精神的ストレスだと考えられている点も、腰痛が問題視されにくい一因だろう。精神的ストレスが原因なら治らなくて当たり前。治癒率の統計をとる必要すらないと考えているのかもしれない。


ところが実際には、腰痛で病院を受診して、精神的ストレスが原因だと診断された人はあまり見かけない。若ければ椎間板ヘルニアで、高齢者なら脊柱管狭窄症と診断されることが多いようだ。それもそのはずで、整形外科を受診した患者の9割に対して、原因は精神的ストレスだ、などと診断していたのでは、病院経営が成り立たなくなってしまうのである。


もちろん、大多数の腰痛は背骨のズレが原因なのだから、この認識がなければ、病院での治療成績が芳しくないのも当然だろう。


それでは、その背骨のズレに直接アプローチするモルフォセラピーなら、腰痛治癒率はどれほどになるだろう。以前モルフォセラピー医学研究所で聞いたところ、7割ぐらいではないかという話だった。これは統計ではなく、あくまでも施術者の実感としての数値である。しかし実感による数値は、統計ほどごまかしがきかない。治ってもいないのに、治ったと思い込める人などそうはいないからだ。


多分、モルフォセラピーの施術者なら、似たような感想を持っている人は多いだろう。しかも7割というのは矯正の場での数字であり、翌日や数日後に解消する例も少なくない。ある整形外科医の著書では、半年後の患者の感想まで治療成績に上乗せしていたが、民間療法の世界では、そんなノンビリしたことではやっていけない。


またモルフォセラピーの治癒率7割は、単なる腰痛だけが施術の対象ではない。腰痛といっしょにひざや股関節などの下肢の症状までカバーしている。そこには便秘、頻尿、生理痛などのような、消化器、泌尿器、婦人科の諸症状の解消まで付随している。


こういったモルフォセラピーによる矯正の効果は、統計もないのでなかなか実態が見えてこない。患者本人が「治った」と言い、施術者にも「治せた」という実感があっても、医師でなければ「治した」とはいえない。そのため、治療成績を数字ではアピールできないのだ。ここに大きなジレンマがある。


しかし今、日本モルフォセラピー協会の指導陣によって、多くの症例が集められている。その集計によって、将来的にはモルフォセラピーの治療効果を、統計として客観視できるようにしたいと考えている。できれば協会会員の方々にも、各自で矯正の結果を記録に残していただければありがたい。それがいずれは膨大な資料となって、確たる統計として世界に示せる日も来るだろう。何とも楽しみなことである。(花山水清)


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2023年01月04日 10時00分

三叉神経痛と背骨のズレ

日本モルフォセラピー協会では、毎月の会員フォローアップ練習会のほかに、私も交えて指導陣での研究会も隔月で開催している。研究会で報告される症例には、難病や特殊な疾患も多く含まれており、今後はそれらの症例を資料として記録し、ネット上でも公開していく予定である。


昨年11月の研究会でも、貴重な話を数多く聞くことができた。そのなかに、モルフォセラピー医学研究所の医師から、三叉神経痛に関するたいへん興味深い報告があったので、ここでも紹介しておきたい。


三叉神経痛とは、三叉神経の走行に沿って、顔面に激しい痛みが走る神経痛である。原因としては脳腫瘍や脳動脈瘤などの重大疾患から、顔面の外傷によって誘発されるものまでさまざまだ。しかしその多くははっきりとした理由もなく発症するので、病院では確かな治療法もない。そのため、ほとんどがその場しのぎの薬物療法で処理される。


そういえば私も、若いころに三叉神経痛を体験したことがある。私の場合も何のきっかけもなかった。家でゆっくりしているときに、突然、左の顔面に激痛が走ったのである。あまりの痛みに叫びそうになったが、しばらく耐えているとスッと痛みが消えた。これで治ったのかと安心していると、2~3時間してまた痛みがぶり返すのだ。


当時はそれが何の痛みかもわからなかったが、ずっと連続して痛むわけでもないので病院には行かなかった。例えるなら、虫歯の激痛が左の顔面全体に現れたような感覚だったが、あれが連続した痛みだったら耐えられるものではない。


自慢にもならないが、私は痛みに弱いほうではないと思う。以前、歯科治療のときに、どれだけ痛いものか興味が湧いた私は、高校の同級生だった歯科医のS君に頼んで、麻酔なしで歯を削ってもらったことがある。その際、彼は「こりゃ拷問だな」とつぶやいていた。


だが、あの三叉神経痛のときの痛みはその比ではなかったのである。ところがそれだけの痛みであっても、いつしか自然に消えてしまった。今思えば、あれは頸椎がしっかりとズレていたのだろう。


大きな理由もなくいきなり三叉神経痛が現れたとき、頭蓋や第一頸椎、第二頸椎が大きくズレていることが多い。それがどんなに激しい痛みであっても、原因がズレによるものなら、そのズレさえ矯正すれば、その場で痛みが引いていく。


仮に三叉神経痛だと病院で診断されていなくても、


・虫歯でもないのに歯や歯茎が痛い

・副鼻腔炎と似た症状が出る

・片頭痛が治らない

・耳が痛い


こういった症状の多くは、頸椎などのズレによる三叉神経痛の症状だと考えてよいだろう。


ところが今回モルセラ医研から報告があった三叉神経痛の場合は、様相が異なっていた。患者は少し前に受けた脳腫瘍の手術の後に、三叉神経痛を発症したのだという。つまり手術の後遺症なのである。


手術の後遺症となれば、手術による三叉神経の損傷が原因だろう。そうなると手術した病院としても治しようがない。かといって手術による外科的な損傷に対して、頸椎のズレを矯正しても傷が治るはずもない。まして患者は脳腫瘍の手術後であるから、何が起きてもおかしくはない。


相談を受けたモルセラ医研の医師も、リスクを考慮して、当初は施術の依頼を断るつもりだった。しかしあまりに激しい痛みが続いていた患者から、「診るだけでも」と懇願されて仕方なくお受けしたらしい。


面談の日、おそるおそるその方の頸椎を調べてみると、明らかにズレていた。

そこで軽く矯正を試みたところ、たちまち顔面から痛みが引いてしまったのである。この予想外の結果には、患者だけでなく医師も喜んだ。要するに、病院で手術の後遺症だと診断されていた痛みは、頸椎のズレによる症状だったのだ。


実はこういう例はモルフォセラピーの周辺では珍しくない。たとえば乳がんの手術の後に、肋間に痛みが出ることがある。患者としては「すわ、がんの再発か!」と不安に襲われる。だがこの痛みも単なる胸椎のズレによる症状なので、ズレを矯正すれば痛みが消えてしまうことが多い。


また胆石の手術後に、取ってしまったはずの胆のう周辺に、しばしば胆石のときと同じ痛みが再現することがある。これまた胸椎のズレによる症状なのだが、病院では精神的なものだから気にするな、と説得される。手術による後遺症だと認められるのはまだましで、多くの場合は大して問題にもされないのである。


ところがここで問題視されるべきは、その痛みが手術の後遺症かどうかではない。痛みの原因となっている背骨のズレは、手術によって誘発されたものなのか。それとも手術する前から背骨がズレていたのか。それが問題なのだ。


手術によってズレたのであれば、背骨は手術の刺激でズレやすくなる性質があると考えられる。だがその一方で、手術には関係なくもともと背骨がズレていたのなら、その背骨のズレがそもそもの疾患の原因になっていた可能性が出てくる。


すると今回の症例の場合、脳腫瘍の手術後の三叉神経痛だけでなく、脳腫瘍そのものの発症にも、ズレが関与していたのではないかと考えられるのだ。そのしくみは、上述の乳がんや胆石の例でも同様である。


もちろんこれらは仮説の段階だが、今後モルフォセラピーの症例が蓄積されていくことで、おのずと因果関係が証明されるだろう。そうやって各疾患に対する施術マニュアルが確立されれば、さらに多くの人にモルフォセラピーが還元できる。そんな将来に私は期待しているのである。(花山水清)


2022年04月06日 10時00分

「神の手」から「神の手の内」へ

私は「アシンメトリ現象」の解消を目指して、20年以上にわたって人体と向かい合ってきた。その集大成がモルフォセラピーとなり、今では多くの方に実践していただいている。


 モルフォセラピーの習得者には医師や理学療法士、柔道整復師などの医療のプロだけでなく、アマチュアのままで活躍している人も大勢いる。そのなかの一人のMさんは、この技術を仕事先での信頼構築に活かしているそうだ。


 あるときMさんは、商談中のお得意様が腰痛で苦しんでいるのに気がついた。そこで「少し腰に触ってもいいですか」と了解を得てから、すかさず腰椎のズレを見つけ出し、その場でサッと戻してしまった。ほんの数分でたちまち痛みが消えたので、驚いたお得意様は思わず「神の手だ」とうなったという。これでMさんに対する信頼も大きなものになったことだろう。


 実はこんな話は、モルフォセラピーの実践者にとっては珍しいことではない。「神の手」とは治療効果に対する最大級の褒め言葉である。だがモルフォセラピーを実践している人なら、だれでも一度はこの称賛を耳にした経験があるはずだ。
 
 世には自称「神の手」もあまた存在する。また治療家を志す者の多くは、「神の手」となることで業界のカリスマを目指そうとするものだ。しかし今はそんな時代ではない。たかが腰痛を治した程度で有頂天になるようでは、あまりにもスケールが小さい。日本モルフォセラピー協会では、世界中を「神の手」で埋め尽くすべく「神の手」の大量育成を目指しているのである。


 もちろんどれだけ「神の手」を生み出したとしても、本物の神の手を創れるわけではない。神ならば、100%全ての腰痛を治せなくてはならないからだ。それでも神に近づこうとする努力は評価されるべきである。


 では実際のところ、モルフォセラピーの効果はどれほどなのだろう。モルフォセラピー医学研究所関野吉晴先生は、腰痛に対するモルフォセラピーの有効性は7割ほどではないかと話していた。私もだいたいそれぐらいではないかと思っている。本物の神には及ばないとはいえ、有効性7割は医学的常識から見れば信じがたい数字である。
 通常の医療では、プラセボ効果の3割を超えさえすれば治療効果ありと認められる。野球なら3割を超えれば強打者だが、7割バッターなどあり得ないのだから、モルフォセラピーの効果には自信をもってよい。


 しかし野球とちがって、民間療法の世界では加算方式ではなく減算方式で評価される。効果が現れなかった3割の人にとっては、7割の有効性など関係ないどころか、全否定の対象となる。こちらでは「神の手」とあがめられる一方で、あちらでは不審な目で見られてしまうのである。


 それではなぜ治らない人がいるのだろうか。施術者の単なる技量不足を除くなら、答えは大きく3つに分けられる。


 1つ目はかんたんな話で、その症状の原因が背骨のズレではない場合である。これは案外少ないが、ある一定数は存在している。


 2つ目は、患者の安全性を考慮して、施術者が安易には手を出せないケースだろう。具体的には、患者が妊婦や成長期の子供であるとか、骨粗鬆症、がんの骨転移、血栓、動脈瘤などがあるときだ。


 患者本人から「大丈夫だからやって」と強くいわれることもあるが、この状態の体に触れること自体に危険が伴うので、信頼関係のある家族以外は手出しすべきではない。
 またモルフォセラピーのように微細な力でなければ、さらに危険であることはいうまでもない。だが医学知識のない人は、施術を受けることにリスクがあるという認識がない点も知っておきたい。


 そして3つ目は、矯正の効果がその場ではわからなかった場合である。モルフォセラピーの有効性7割とは、あくまでも矯正直後の話なのだ。しかし施術の場では効果が実感できなくても、数時間後や翌朝に症状が消えていることは多いものである。


 しかし患者としては、その場で効果が感じられなければ満足度が低い。翌日になってから症状が消えていることに気づいても、「自然に治ったのかな」という程度にしか認識してもらえない。それが施術者としては悩ましいところなのである。


 ある整形外科医の本には、半年後の追跡調査の結果まで治療効果の実証データに含めていた。半年もたってからでは、腰痛が治ったのは自然治癒だった可能性も大きいはずだ。これが民間療法であれば、半年後の結果など全く評価に値しない。こちらの世界はそれほど甘くはないのである。


 このように見ていくと、「治らなかった」とされる背景には一定の傾向があることがわかる。失敗の法則を見つけるのはたやすいものだ。逆にいえば、成功は偶然にでも起こる。しかし治った理由が「たまたま」であってはならない。


 そこであえて、なぜ治ったのかの理由を極限まで掘り下げていく必要がある。そのしくみを解明することが、人体の普遍的な法則の探究になるのだ。モルフォセラピーでは、それが「アシンメトリ現象」の発見につながった。


 したがってわれわれは、決して「神の手」と呼ばれることに安住してはならない。各自が技術の安全性や効率を高めるだけでなく、施術を通して「神の手の内」まで知り尽くそうと努力することが最も重要なのである。(花山 水清)


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