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2021年09月01日 10時00分

下顎は左にズレている

カテゴリー: アシンメトリ現象

先日、日本モルフォセラピー協会宛に、歯科技工士のT先生から大変興味深い内容のメールが届いた。そこには、3千人分の口腔模型を調べた結果、8割に下顎の左へのズレが確認できたと書かれていたのである。


 さらに下顎だけでなく全身が「左上がりの左らせん回転にねじれ上がっている」とも指摘されていた。この「左らせん回転」とは上体に向かう反時計回りの回転だと解釈できるから、これは明らかに「アシンメトリ現象」のことなのだ。


 これまでにも医学を始め、生物学や心理学などのさまざまな分野において、人体の左右差の研究がされてきた。ところが「左だけ」「右だけ」といった側性に関する研究はほとんど見当たらない。その点、T先生の研究データは完全に側性、しかも左一側性に関するものだから大変貴重である。


 かつて私も、知り合いの歯科医院の協力を得て歯型を調べたことがある。各地の博物館に所蔵されている古人骨を観察し、下顎の側性も探ってみた。しかし下顎というのは上顎にぶら下がった構造なので、その位置は固定されたものではない。そのため側性を計測する際の、基準となる歯列水平面が設定できないのである。このような状態では、たとえ最新の3次元計測器を使ったとしても、側性の変化までは調べようがない。


 ところがT先生は治療用スプリントの作製によって、「機能」を基準として側性を証明してみせた。これは歯科技工士ならではの功績である。この下顎の調査の結果が、私がこれまで実施してきた歯列不正の調査結果とも一致していたことは特筆に値する。


 では「アシンメトリ現象」による歯列不正とは、具体的にはどのようなものだろうか。歯列不正の歯型を詳細に観察すると、上顎の歯茎には絞り上げたように幾重にも斜めの筋目が入っている。そして左の前歯が右の前歯にかぶさる形で生えている。(写真参照)


 つまり歯列不正はランダムに起こるものではなく、何らかの規則性をもった力が働くことによって発生しているのである。もちろんその力とは「アシンメトリ現象」による左咬筋の緊張だ。アメリカの研究者による実験でも、ラットの咬筋を片側だけ切除すると頭蓋や歯列が著しく変形して歯列不正が発生していたので、この因果関係は明らかだろう。


 また上顎におけるひねりの力は、そのまま下顎にも影響する。この力は咀嚼筋による上下運動と相まって、歯列不正だけでなく顎関節症の原因にもなっている。顎関節症には頚椎のズレも影響しているので、それらのズレを矯正することで顎関節症の症状が治まることはご存じの通りである。


 「アシンメトリ現象」に対するモルフォセラピーの効果を検証している「モルフォセラピー医学研究所」でも、ズレの矯正によって顎関節症の症状が改善することが確認されている。さらに症状改善と同時に、噛み合わせの重心が中心に修正されることも機器による計測で明らかになった。


 「アシンメトリ現象」は目で見て確認できる現象である反面、これを数値に置き換えて客観的に証明するのはむずかしい。従って今回、機器計測によって「アシンメトリ現象」の存在とモルフォセラピーの効果を確認できた意義は大きいのである。


 当協会会員の多くも顎関節症などは施術対象として経験しているはずだ。しかしモルフォセラピーの効果を客観的に証明しようとするとなかなか厄介だろう。そこで今後は単に施術しておしまいにするのではなく、もう一段階進めて「効果の証明」という視点をもちながら、それぞれが研鑽に励んでいただけることを願っている。


(花山 水清)


2021年08月04日 10時00分

日本人のコメ信仰が「がん」を呼ぶ!?

カテゴリー: アシンメトリ現象

1980年代のバブル景気で海外旅行が盛んだったころ、日本人の多くはたかが3泊でも日本食を持参していた。本場で立派なフランス料理を食べたあとでさえ、コメのメシを恋しがっていたのである。


 西洋料理には肉が多い。従ってコメに比べて消化が良い。その分、日ごろコメを食べている日本人には腹もちが悪くて物足りなかったのだろうか。


 天武天皇による肉食禁止令(675年)から文明開化(1912年)まで、永きにわたって日本人は肉食をしてこなかった。そのうち「コメさえ食べていればいい」とまで考えるようになり、コメ信仰とも呼べる時代が長く続いた。


 しかしコメなどの穀物は消化に時間がかかるから、西洋人に比べると日本人は腸が長い。だからわれわれは胴長・短足の体型になったのだとまでいわれている。
 確か昭和のころ、国際線の飛行機に日本人が乗るとトイレのタンクがすぐいっぱいになると話題になっていた。当時の航空会社のデータによると、日本人の排泄物の量は西洋人の倍もあったという。それだけ食物繊維の摂取量が多かったのだから、腸が長くなって胴長にもなるわけだ。


 とはいえ、依然としてわれわれのコメに対する信頼は厚い。そのせいでこれまで米飯食のデメリットが語られることはあまりなかった。だがコメや野菜に含まれる食物繊維の消化は、胃や腸に大きな負担をかけている。実はこのことが「アシンメトリ現象」に影響している可能性があるのだ。


 前回は、コメなどの炭水化物に含まれる糖質が「アシンメトリ現象」を助長していると説明した。さらに炭水化物の残りの成分である食物繊維の影響も無視できないことがわかってきた。


 そもそも人間は、草食動物のように食物繊維を分解するための酵素も細菌ももっていない。つまり食物繊維を摂っても、栄養素として取り込むことができないのである。食物繊維を分解できないから、食物を消化管に長時間滞留させることになる。すると胃で血流が滞って、交感神経による血流の切り替えもスムーズにできなくなる。


 しかも血液と貯留した食物の重量も胃に負担をかけている。胃は体の左側に位置するので、その重量が増加すれば体の重心はますます左に片寄る。それが抗重力筋である脊柱起立筋の左側の緊張を増幅させ、結果として「アシンメトリ現象」を悪化させていると考えられるのだ。


 では人間にとって食物繊維の役割とは何だろう。一般的には食物繊維の摂取は腸のお掃除などといわれる。それが便秘の解消につながると信じられてきた。
 しかし実際のところ腸に掃除など必要なのだろうか。食物繊維を摂って一時的に大量の便が出るのが、果たして好ましいことなのか。
 仮に食物繊維が「アシンメトリ現象」を助長していたならば、便秘の解消どころか消化器疾患の引き金になっている可能性すらある。


 以前、世界的に見て日本人には異常に胃がんが多かった。そのため胃がんは日本人の国民病ともいわれていた。諸説はあっても、その本当の原因は当時も今もわかっていないのだ。


 ところが胃がんの原因が、コメが主食だったせいだとしたらどうだろう。米飯食による糖質と食物繊維の過剰摂取だけでなく、コメの胚芽に含まれるアルカロイドや農薬などの有害物質を摂り続けた結果、「アシンメトリ現象」が悪化し、それが胃がんの原因になったのではないか。


 逆に近年胃がんが減ったのも、コメを食べる人が減ったからなのかもしれない。もしそうなら、コメ文化に誇りをもつ民族としては受け入れ難い話だろう。コメ好きの私としてもこの結論はうれしくはない。


 もちろん前回の糖質の話と同様、食物繊維の「アシンメトリ現象」への影響もまだ仮説の段階だ。しかし今後の研究課題として、ぜひあなたにも食物繊維について考える機会をもっていただけたらと思っている。


(花山水清)


2021年07月07日 10時00分

糖質は人類にとって敵か味方か

カテゴリー: アシンメトリ現象

「アシンメトリ現象」とは、人体の左半身の形態と知覚が特異的に変化する現象である。
この現象は腰痛からがんにいたるまで、さまざまな疾患と密接なかかわりをもっているのだ。


 従って、人体から「アシンメトリ現象」を取り去ることができれば、それらの疾患も消去される。
モルフォセラピーは、この「アシンメトリ現象」を取り去るために開発された療法なのである。


 モルフォセラピーでは、「アシンメトリ現象」を悪化させている背骨のズレへの矯正が主体となっている。
その矯正による効果を見れば、「アシンメトリ現象」と疾患との因果関係を実感できるはずだ。
だがモルフォセラピーで背骨のズレには対処できても、「アシンメトリ現象」の根本原因までは解消できない。


 そもそもなぜ「アシンメトリ現象」が出現するのか。
まだその原因が完全には特定できていないのである。
これまでの調査による状況証拠では、食品添加物や殺虫剤などの化学物質、魚介類に含まれる水銀などの重金属のほか、放射線の影響も考えられる。


 もちろん生活習慣や加齢が関与している可能性もある。
それらが複合的に作用することで「アシンメトリ現象」を引き起こしているのだろう。
結果として現在の地球環境は、「アシンメトリ現象」の犯人を特定するよりも、犯人でないものを探し出すほうが難しい状況になっている。


 私は当初、「アシンメトリ現象」の原因物質の最有力候補は、植物毒であるアルカロイドだと考えていた。
古代において人体に有害な物質といえば、ほかには候補が見当たらなかったからだ。
ところが最近になって、なんと糖質が犯人候補として浮上してきたのである。
つまり「アシンメトリ現象」の出現も、人類が農耕を始めた1万年前にさかのぼることになる。


 糖質は、脂質、たんぱく質とともに三大栄養素として、人類には重要かつ不可欠なエネルギー源だと考えられてきた。
しかしここ数年の間にその地位は大きくゆらぎ始めている。


 イスラエルのテルアビブ大学の最新研究によると、本来肉食だった人類は200万年にわたる過剰狩猟によって地上の大型獣を食い尽くした。
そこで主要な食糧源を失った人類は、1万年前ごろから植物性の栄養源を取り入れることで次第に雑食化していったというのだ。


 動物の食性は、肉食・草食・雑食の3つに分類され、これまで人類は雑食だといわれ続けてきた。
しかし肉が手に入らなくなった人類は仕方なく農耕を始め、そこで食性を大きく変えて雑食になったのである。
このような食性の急激な変化が、さまざまな疾患を生み出す原因になっていると私は考える。


 その代表が虫歯だろう。
虫歯の原因が糖質なのはだれもが知っている。
ところが糖質が人間本来の食性に適するものであれば、他の草食や雑食の動物のように、糖質をとっても虫歯になどならないはずなのだ。


 食性の変化が疾患の原因となり得ることは、草食動物である牛に肉骨粉を与えたせいで狂牛病が発生したことでもわかる。
さらに近年の研究では、糖質の摂取は糖尿病だけでなく、発がんにまで影響するといわれている。
そしてこの糖質の摂取が「アシンメトリ現象」にも影響している可能性があるのだ。


 だが仮に糖質が「アシンメトリ現象」の原因物質の一つであるなら、他の有害物質とちがって、実験的に食餌から排除してみることも可能だ。
糖質の影響を抑制できれば、モルフォセラピーの効果もさらに向上するかもしれない。
このことは、「モルセラ医研」の今後の研究テーマとしても期待されているのである。


(花山水清)


2021年06月02日 10時00分

モルフォセラピーとは何か

カテゴリー: モルフォセラピー

モルフォセラピーとは何か。
一言でいうなら「アシンメトリ現象」を解消する療法である。


 では「アシンメトリ現象」とは何だろうか。
「アシンメトリ現象」は、人体の左側に現れる特異的な現象のことであり、おどろくほど広範囲の疾患と密接に結びついている。
したがってモルフォセラピーが対象となる疾患も、自ずと広範囲に及ぶ。
モルフォセラピーは、この「アシンメトリ現象」の原因となっている「背骨のズレ」を、手技によって矯正する療法なのである。


 私はこの「背骨のズレ」に規則性があることを発見した。
その規則性にのっとって矯正を行えば、だれがやっても同じ結果が出せる。
これが「モルフォセラピーには再現性がある」という意味なのだ。


 そして再現性とは科学の第一義でもある。
つまりモルフォセラピーは、「信じる・信じない」といった信仰や、まやかしを必要としない科学的な療法だといえる。
だから、私はだれにも「モルフォセラピーを信じなさい」とはいわない。
逆に疑いをもちながら実践し、施術を通して検証してみてほしいと思っている。


 そもそもモルフォセラピーは、「アシンメトリ現象」の解明がテーマである。
「アシンメトリ現象」の原因や成り立ちを解き明かすことによって、「アシンメトリ現象」を伴う腰痛やがんといったような疾患のしくみまで解明できると考えられるからだ。


 「アシンメトリ現象」は体の左側だけに現れる。
こういった左右差については、医学だけでなくさまざまな学問分野でも研究されてきた。
ところがそこでは、単なる左右差についてしか注目しない。
左だけ、右だけといった、側性にまで言及されることがないのである。
実は単に「左右差があること」と、その「左右差に側性まであること」とでは、問題の意味もレベルも全く違うものになる。
「アシンメトリ現象」の最大のポイントは、そこに「左だけ」という側性がある点なのだ。


 科学の世界では、自然現象のなかから対称性や規則性を見つけることが最も重要だとされる。
つまり「アシンメトリ現象」の発見とは、科学史に残るほどの大発見なのである。


 しかもこの発見は、医学的な問題だけにとどまらない。
何よりも重要なのは、「アシンメトリ現象」が示す左右の非対称性の意味である。
虫や鳥の絶滅種では、羽の長さなどが左右非対称になることがある。
これは生物学ではよく知られた事実だ。
そのため、ある生物が左右非対称になっていないかを調べることで、その環境の安全性の指標にすることもある。
これまでは人類がその調査の対象になったことはない。
しかし私は、「アシンメトリ現象」の存在は左右差の指標として最適だと考えているのだ。


 実際、この半世紀で「アシンメトリ現象」は急増している。
日本だけでなく地球のほぼ全地域においても同様だ。
これは「アシンメトリ現象」の原因となる物質が、地球環境中に増加しているからに他ならない。


 その原因物質はまだ特定できないが、状況証拠として考えられるのは、農薬や食品添加物などの化学物質、重金属、放射線の存在だ。
さらに現在は無害だとされる物質も影響している可能性はある。
それらが徐々に環境中に蔓延し、閾値に近づいたことで人体に直接影響が出るようになったのではないか。
「アシンメトリ現象」が急激に低年齢化しているのも、その結果なのである。


 それゆえモルフォセラピーが目指すところも、単に「背骨のズレ」が引き起こす個々の疾患の解消だけではない。
今後さらにモルフォセラピーの実践者が増えることで、「アシンメトリ現象」の問題に当事者意識をもった仲間も増える。
彼らの叡智を結集して、人類の危機に対処することが最終目標なのである。


(花山水清)


2021年05月27日 17時26分

モルフォセラピーの未来

カテゴリー: モルフォセラピー

 現在モルフォセラピーの会員は全国で500名以上にもなる。
そのうちプロとして登録して活躍している方も100名を超している。
まだ小規模とはいえ、「日本モルフォセラピー協会」が設立されて10年にも満たないのに、この数字は頼もしい。


 しかも昨年は、医師の関野吉晴先生を代表とする「モルフォセラピー医学研究所」が設立された。
当研究所では「アシンメトリ現象」の原因の解明が期待されている。
そこで改めて、私が思い描くモルフォセラピーの展望をお伝えしておきたいと思う。


 当初からモルフォセラピーの目標は「腰痛からがんまでを家庭で治せるようにする」ことにある。
その結果、モルフォセラピーは従来の民間療法の枠を越え、医療の概念を覆す、いわば革命となるものと認識している。


 従来は、病気には医療の専門家がその治療に当たっていた。
しかしモルフォセラピーの技術を用いれば、おどろくほど多くの病気が家庭や職場の身近な人の手によって気楽に対処できるのである。
これはだれもが理想とする形だが、現実にはあり得ないことだと思うだろう。


 ところがモルフォセラピーの最大の特徴は再現性にある。
モルフォセラピーにおける再現性とは、同じことをやればだれでも同じ結果が得られるという意味である。
もちろん技術の巧拙によって、結果に多少の違いはある。
しかし逆に、今日モルフォセラピーを覚えたばかりの人が、ベテランよりも鮮やかに治してしまう可能性もあるのだ。


 したがってモルフォセラピーが普及していけば、近い将来、治療の専門家の出番は減少する。
だが今後モルフォセラピーの習得者には、治療家としてだけでなく、技術普及の指導者として活躍していただきたい。
そしてモルフォセラピーを世界中の家庭へ伝える役割を担っていただきたいのである。


 さらにいえば、モルフォセラピーは未完の療法である点も認識しておきたい。
私は「アシンメトリ現象」の原因の解明とモルフォセラピーの技術開発に20年以上の歳月を費やしたが、「家庭でのがんの完治」にはまだ到達できていない。
ぜひ、その技術革新にもご協力いただきたいのだ。
協会の設立以来、加速度的に実践者が増えたおかげで、技術の進化速度も格段に向上した。
そこには無限の可能性があり、モルフォセラピーの将来には明るい展望がある。
 
 実は民間療法の世界では、小さなお山の大将の一代で終わる人が圧倒的に多い。
それは「自分が」「自分だけが」といった我欲に支配されて本質を見失うからだ。
モルフォセラピーの本質は利他の精神にある。
みながその自覚をもって共に学んでいけたら、そこには夢のようなすばらしい世界が待っていると私は思っている。


(花山 水清)


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